実録恐怖体験〜河津桜さんの場合〜

2017年5月29日月曜日

日常

t f B! P L


開いたドアへ吸い込まれるように乗った電車は、地元湘南を走る東海道線下り列車。
ふと目をやると、高校時代の友人3名が並んで座っています。
彼女たちとは同じ部活に所属していて、帰り道も同じ方向だったので、自然と一緒に帰る仲でした。

しかしよく見ると、今乗っているのはいつもの上りではなく下り。
「ねぇ、どうしてうちら下りに乗ってるの?
次の駅で乗り換えないとヤバくない?」
焦って尋ねる桜。

するとクミ(友人・仮名)は答えます。
「いいの、これで。
大丈夫だから心配しないで。」

「でももう真鶴まで来ちゃってるよ!
熱海までほんとすぐだよ⁉
静岡まで行ってどうするの⁉」

‥クミは私の方がおかしいと言わんばかりの顔で
「大丈夫だよ!
合ってるから!!」

えぇぇー(゚Д゚≡゚д゚)
と思いながらも、クミの強い口調にひるんでしまった私は
「そう?」
とだけ言って、気付けばガラガラになっていた車内を見渡した後、友人たちと並んで席に着くことにしました。

思えば乗って程無くして、この電車は真鶴駅に到着していた‥
ということは、いつものように藤沢駅から乗車したとは考えにくい。
一体私は、どこの駅からこの列車に乗り込んだのか‥。

それに彼女たちだって変だ。
1番おとなしいクミだけが口を開き(それも何故か怒り口調だし‥)いつもはワーワーギャーギャーしている2人が黙っている。
まるで話すことを禁じられているかのように、口を固く結んでいる。

「ねぇ!!
もう本当にすっごくすっごく下っちゃってるよ⁉
私たちどこに向かってるの⁉
ねぇ降りようよ!!
なんか怖いよ!!」

そんな私を見て見ぬふりをするように、目を閉じてしまったクミ。
「ねぇ!!
寝てる場合じゃないって!!
本当に起きてよ!!」

ふと窓の外に目をやれば、少しも懐かしさを感じない景色が流れていました。
気付けば、東海道沿線には存在しない駅に到着するようになっているようです。

「ねぇ!クミ!!
いよいよヤバいって!!
ねぇ、もう本当に起きてよ!!
ねぇってば!!」

「ちょっとクミ、あんたどうしちゃったの⁉
行けば行くほど異様な雰囲気だよ⁉
ねぇ、本当にヤバいんだってば!!
マジで起きてよ〜!!
寝てる場合じゃないんだって!!」

すると突然‥
電車が急ブレーキをかけたかと思った瞬間、車内は真っ暗に!!

ギャーーーー(;´༎ຶД༎ຶ`)ーーーっっ!!!


‥そこで目が覚めました。

時計を確認すると、完全に寝坊!!

「ねぇ!!
寝てる場合じゃないって!!
本当に起きてよ!!」

「ねぇ!
いよいよヤバいって!!
ねぇ、もう本当に起きてよ!!
ねぇってば!!」

「ねぇ、本当にヤバいんだってば!!
マジで起きてよ〜!!
寝てる場合じゃないんだって!!」

この言葉たちはクミではなく
どうやら私自身に向けられたものだったようです‥。

てへΣ(ノ≧ڡ≦)

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